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■4 プロジェクト1■
<M氏の肖像>


テーマ「M氏のイメージから生命、エネルギー感を表す」


子供のころから、小動物を飼い続けていた。金魚、文鳥、インコ、モルモット、ネコ・・・。
小動物の命は簡単に消えてしまう。縁日で買ってきた金魚の半数はすぐに死ぬ。目の前でネコに食われたインコやモルモット。交通事故に遭って死んでしまったネコ。

そんな数々の命が消えるのを経験したとき、いつもとても悲しく、そして不思議だった。風邪をひいて体調が悪く、気づかずにかわいがっていた手乗り文鳥を踏み潰してしまったときの気持ちは、今思い起こしても涙が出てくる。身体はここにそのままあるのに、なぜ、この子の命はもうないのだろう。なぜこんなに簡単に、命がなくなって、そして二度と戻らないのだろう。命って、魂って、心ってなんだろう。

殺人の報道を聞くと、なぜ、あんなにはかないものをそんなに粗末にできるのかいつも疑問に思った。憎しみやいろんな心の状態があるのはよくわかる。でも、そんな状態の心はまわりを、そして自分を傷つける。人の力をそんなふうに使わせないエネルギー、それはなんだろう。

具体的な形でそれを取り上げたいと考えていたときに、私は知人であったM氏(宮本惇氏)を思い浮かべた。

シベリア抑留を「旅行へいってきたようなもの」とさらりと述べる人だった。これは半端な心の使い方ではない。この人の話を聞こう。そして、表現しよう。きっとそこには、心の使い方のヒントが隠されているはずだ。

何度も話を聞いた。M氏の自叙伝を読み返し、シベリア抑留をまとめた「捕虜体験記」を読んだ。

2005年は、M氏のイメージに迫ろうと人生を表す「手」を中心に描き続けた。
個人から他の人に通じる普遍的なものを取り出したい。手がかりを古典に求めた。

 去年の暮れ、世阿弥の『風姿花伝』に出会った。「まことの花」。それは自分を磨き続けるからこそ、死の直前までまわりを魅了する花である。枯れていく花でも人を魅了するありかたがある。その不思議、心のありようはM氏のイメージと重なる。

2006年は「まことの花(世阿弥)」をテーマに組み込み、「M氏の像」を表現していく。


<宮本惇氏関連>
略歴
プロフィール
作品(シベリア画集より)
自叙伝
シベリア抑留
ロシア国際交流(現在の活動)

<感覚の和>
和−1、 日本的なもの
和−2、東洋思想
和ー3、東洋と西洋の接点
感覚 認知的なアプローチから
アートとデザイン

 

5プロジェクト2

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