2005
 
 

「手」は人生のパートナーであり、人生の記憶が刻々と刻まれている。


シベリア抑留を4年間経験してきたM氏。それを「シベリアへ旅行にいってきたようなものだ」と周囲に軽やかにいう。
しかし、背後には、シベリア抑留という過酷な体験でさえも、人生の糧として生かすのだ、という固く秘められた決意がある。

M氏は心の奥深くの辛さや葛藤の処理を他人に見せようとしない。
常に明るいもの、美しいものを周囲にもたらそうとする。


そして、「人生を楽しもう」と語りかける。
シベリア抑留でM氏は、自分自身を含め、人間のもっとも醜いものをみてきた。
その上で「楽しむ」「美しいものを選ぶ」ことに心を傾けている。周囲と交流している。
だから、それはすべての逆境を「転換」する深く力強いエネルギーだ。

 
 
 
 
 
 
 

 

2003

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